MAENORITY REPORT 4 |
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前のりティリポート4 by アーブ山口 |
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2004/7/19 |
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★プロローグ 『ライダースクラブ』誌は、いわゆる“うしろ乗り”ライダーを増産しているが、『ライダースクラブ』誌は、『前のりティ』を全否定しており、『ライダースクラブ』誌のライテクに関する記事を集めた、『バイク“曲がれる”大図鑑』や『バイク“乗れてる”大図鑑』などの本を読めば、あなたも素晴らしい“うしろ乗り”ライダーになれるだけではなく、我々『前のりティ』にも途方もない利益が約束されることになる。 従って我々『前のりティ』は、偉大な先輩ライダーである根本健氏が著した、これらの本が永遠に書店に並ぶことを願うだけではなく、周りにいるオートバイ乗りには、まず真っ先にこれらの本を読むように薦めるべきだろう。 もちろん理由は、何度も言うように、“カモ”が増えるからなのだが、我々『前のりティ』は、『ライダースクラブ』誌によって全否定されているので、我々にとって『ライダースクラブ』誌を信奉する“うしろ乗り”ライダーは全員敵である。しかし、面白いことに、『ライダースクラブ』誌を信奉する“うしろ乗り”ライダーの敵は我々『前のりティ』ではない。 えっ、なぜかって? なぜならば、『ライダースクラブ』誌を信奉する“うしろ乗り”ライダーの真の敵は、自らの無知だからである。 ★ランチ 『ライダースクラブ』誌では、『ライディングパーティー』という名のイベントを開催しているが、もしあなたが『ライダースクラブ』誌の信奉者ならば、1度や2度は、このイベントに参加したことがあるだろう。(もしまだ参加していなければ、今すぐに申し込むべきだ) ちなみに、このイベントでは、ビュッフェスタイルの豪華なランチもイベントの売り物の1つであり、このイベントに参加する『ライダースクラブ』誌の信奉者達は、このランチも大変楽しみにしているようだ。 しかし、我々『前のりティ』にとって重要なのは、サーキットで出されるランチではなく、自分がランチにされないことなのである。 では、数多い“うしろ乗り”ライダーをランチにすべく、以下、我々のスタイルについて語ろう。 『ライダースクラブ』誌によれば、前乗りは、“曲がらない”“開けられない”ということになっているようなので、コース上で我々に出会った“うしろ乗り”ライダーは、我々の走りを見て驚愕することだろう。なぜならば、我々の方が彼らよりも“曲がり”“開けられる”からである。 “うしろ乗り”ライダーは、自らが認めているように、フロントタイヤは“従輪”であり、リアタイヤのキャンバースラストを重視するスタイルなので、バンク角が深い方が有利であり、バンク角を深くする為には、コーナーリングスピードが高い方が有利であり、コーナーリングスピードを高める為には、ワイドなラインで走る方が有利であり、高いコーナーリングスピードでワイドなラインを走る為に、必然的に加減速の少ないライディングスタイルとなる。 しかし、我々『前のりティ』のスタイルは、これとは全く逆である。 我々は、コーナーは出来るだけタイトに曲がりたいと考えており、コーナーとコーナーをできるだけ直線的に結び付けたライン取りを好む。従って、『ライダースクラブ』誌に書かれていることとは全く逆に、我々は誰よりもタイトに“曲がり”、そして誰よりもワイドに“開ける”スタイルなのである。 つまり、“うしろ乗り”は、なおも『ライダースクラブ』誌によって、宗教の信条のように広められているが、これは私に限りない満足を与えている。 従って、当然のことながら、『ライダースクラブ』誌を鵜呑みにしたライダーがひどい目にあうことは、私や、シュワンツやドゥーハンやノリックの信奉者にとっては、大変有益であるのだが、皮肉なことに、今後、益々“うしろ乗り”ライダーは増えることだろう。 その様はまるで、地球は平たいとする協会が永遠に繁栄するかのようでもある…。 ★ロジック 飛行機は真っ直ぐに飛び続ければ、やがて元の場所に戻ってくる。つまり、地球は平らではなく、丸いのだ。 同様に、“うしろ乗り”が永遠不滅の絶対的真理だと考えるのは、控え目に考えても”おめでたい”と言えるだろう。 では、我々のコーナーリングについての説明だが、我々はコーナーをタイトに曲がるので、必然的にコーナーリングスピードは低く、コーナーとコーナーは直線的に走るので、コーナーとコーナーの間は、ミサイルのように加速する必要があり、その結果、加減速の激しいスタイルとなる。 さて、問題のコーナーだが、コーナーリング中は、コーナーリングスピードが低く、リアタイヤへの荷重も少ないか、あるいはほとんど無視しているので、その為にバンク角も浅く、いわゆるリアタイヤのキャンバースラスト(内向性)はあまり引き出していない。従って、我々が最も引き出しているのものは、セルフステア機能なのである。 このセルフステア機能を最大限に引き出すコツだが、それはバンキングスピードをひたすら上げることであり、バンキングスピードを上げる為には、ステアリングヘッドアングルをとにかく立てれば良い。 そして更に、実際にフルバンクまで持っていった後にも、更にステアリングをインに切り込ませる為に、出来れば立ったキャスター角を維持するべく、フロントサスの伸び側のダンピングを上げ、ブレーキング時に立ったキャスター角をなるべく“戻さない”ようにすると良いだろう。(ちなみに、『ライダースクラブ』誌では、フロントのダンピングは“抜け”と書かれている) こうすることによって、バンク角やキャンバースラストに頼らず、ステアリングがイン側に切れ込むことで、グングンと“曲がる”ことができるのである。 |
ちなみに、『ライダースクラブ』誌によれば、前乗りでは、この時にアクセルを開けると、プッシュアンダーが出てしまうと紹介されているが、実際に下りのコーナーなどでは、プッシュアンダーが出やすく、その場合には、そのままプッシュアンダー状態で、4輪で言えば、FF車のように走ってしまっても良いのだが、セッティング的に言えば、フロントサスが沈み込み過ぎるあまり、サスの残ストロークがなくなり、路面追従性が悪くなっていることが原因に考えられるので、スプリングのレートを上げるか、イニシャルをかけるなどして改善すれば良いと思われる。 そして次に立ち上がり部分だが、我々は誰よりもタイトに向きを変えているので、我々の目の前には、アクセルを開けろと言わんばかりの光景が広がっているだろう。そう、そうなれば、迷わずアクセルはワイドオープンすれば良い。 そして、ここからはその時のシチュエーションによるのだが、コーナーリングスピードが低いことにより、リアタイヤに充分な面圧がかかっておらず、ライダー自体の体重もあまりリアタイヤに預けていないことで、リアタイヤがスライドを始めることがあるが、これにより、立ち上がり部分で更に向きを変え、高回転もキープ出来るという副産物をもたらす訳であり、このスタイルの実現の為に、ドゥーハンがスクリーマーを好んだ訳である。 ★エピローグ 尊敬すべき福田照男氏が語っているように、ヨーロピアンスタイルとアメリカンスタイルにおいて、コース1周のラップタイムに大きな違いは生まれない。同様に、『ライダースクラブ』誌の提唱する“うしろ乗り”と『前のりティ』のスタイルもまた、ラップタイムに大きな違いは生まれないと私は考えている。では、なぜ私が『前のりティ』を好むのかだが、それは実戦で有利だと考えているからである。 つまり、ワイドなラインで走るライダーは、ラインの自由度が小さいが、『前のりティ』はラインの自由度が大きく、特に進入でインをさしたり、バックマーカーが現れて失速した“うしろ乗り”ライダーを立ち上がりで抜く際にも有利である。我々『前のりティ』は、こうした確信から生まれる平静さを持って、目の前の“うしろ乗り”ライダーを抜き去ることができるが、例えば、シュワンツやドゥーハンやノリックのパフォーマンスは、伝説的なものとなっている。 しかし、何もこのスタイルは、一握りの天才だけのものではなく、あなたが実践しても良いのであり、レギュレーションブックには、「シートの前に座ってはいけない」などとはどこにも書かれていないのである。 つまり、『ライダースクラブ』誌を無視する勇気を持ち、コーナーをタイトに曲がるテクニックを欲していると言うのならば、『ライダースクラブ』誌に書かれている単純なテクニックは、あなたにとって全くナンセンスである。 |
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