Erv's Letters index Text by Erv Yamaguchi


茂原ツインサーキット視察レポート 2006年3月19日 18:53

 2004年の那須mslの閉鎖に伴い中止されたロムシーは、その後様々なサーキットを物色し復活も検討された。そして、茂原ツインサーキットもその候補の1つだったのだが、諸事情により、結局私はロムシーの復活は見送っていた。

 しかし、3月18日(土)にて開催された茂原ツインサーキットのモトブレイクというスポーツ走行に、ロムシーの元参加者である、きたりんこと北山さんと、yktさんこと後藤田さんが参加するということで、私も彼らの意見を聞く為に、お忍びでサーキットの視察を行なった。
 以下はその日のレポートである。




↑は、
サーキットの視察とは全然関係ないが、
外苑の首都高入口が出発地点だった為、
通りすがった時に写した絵画館のショット。

ちなみに、
私は自分の愛車の撮影を、
この絵画館前で行なうことが多いが、
多くの人が国会議事堂と間違えているようなので、
あらためて絵画館前だと伝えておきたい。
(2006年3月19日現在のトップページの画像も絵画館前のショットである)




自分が走る訳ではないということで、
午前9時というなめた時間に出発した所、
渋滞にハマって、2時間半くらいでサーキットに到着した。

そして到着の際、
私自身はミニサーキットでは生まれて初めての経験だが、
入場料として500円をサーキットにお支払いしたが、
利益追求型の経営に対して非常に好感が持てるので、
このサーキットが上場したら私は株主になりたいと思った。

他のサーキットは商売の自覚が薄すぎである。




自走で来たライダーに優しい屋根付きのパドックがある他、
思いの他、施設にはコストがかかっているという印象だった。




ホームストレッチは勾配の強い上りで、
第1コーナーは右コーナーとなっている。
その後ヘアピンチックな左コーナーを曲がると、
S字区間へと突入していく。




インフィールドのS時は下りで峠のようだ。




インフィールドには、
ヘリポートがあり、
その周りを走るかのような右ヘアピンがある。
そしてヘアピンの外側が最終コーナーといったレイアウトだ。




サーキットの名前が示すように、
お隣にはカート用の別のコースがあった。

ちなみに、
私が視察した日には、
大きなラジコンカーがスゲー勢いで走っているのかと思いきや、
未来のF−1ドライバーたるチビッ子達が、
チームアメリカ・ワールドポリスのような動きでカートを走らせていた。
チームアメリカは、
ちゃんと動くことができるのに、
観ている者を笑わせようとした“あえての”人形のような動きが特徴だが、
そのスピードからして、
こちらのチビッ子達は真剣なようだった。





サーキット内には、
入場料をお支払いすることにも納得するだけの、
立派なレストランもあったので、
ランチ(昼食)等の心配もない感じだった。




↑はレストランのメニュー。




 サーキットに到着すると、約1年ぶりといった調子で、早速きたりんとお会いした。(相変らずきたりんは大きく、私は小さい)
 実は、きたりんはこの日にCBR1000RRを走らせるのは久々だったようで、きたりんは最近モタード車を購入したらしく、最近はモタードにゾッコン惚れ込んでいる様子で、実際、私に対して、「自分の中ではロードレースは終わった」と語っていた。
 恐らくその理由としては、ヘルパーの都合をつけることが困難な草レーサーにとって、ヘルパーを連れてくることを条件とするレースが多いことや、マイナーなロードレースが、じょじょにメジャー化していると感じていることが要因なのかもしれない。

 話変わるが、大昔、そう、今から約20年前は、サーキットに集う若者には、金は無いが夢があった。
 彼らはワークスマシンに乗ることや、ワークスライダーになることを目指して、ただひたすらにガムシャラに走った。
 そして現在、ロードレースを取り巻く空気は変わった。
 最高峰であるmotoGPは、イージーマネー・ユーフォリア(あぶく銭陶酔症)という名の病にかかった企業の政治の道具だということが、以前にも増して明らかになった。
 そして現在では、自らが政治の道具になることを目指す者はほとんどいない。(コイズミ・チルドレンはのぞく)しかし、どのような世界においても、乗りかけた船に乗ってしまう者は存在するので、メジャーなロードレースの世界に足を踏み入れた者は、その間は全財産を豆乳を投入し、やがて力尽きた時には、この世界に背を向け、手にした国際ライセンスは、その後の人生の収入の増加には、ほとんど役に立たないことに気付くことになる。
 こうしてロードレースの世界から足を洗ったライダー達は、自分は1%の成功者に対する、残りの99%だったということを認めざるを得ないが、それが勝負の世界なのだと自分を納得させるのである。
 まさしく彼らは、「銀メダルを獲った」のではなく、「金メダルを獲り損ねた」のであり、これは一見、言っていることの内容は同じに感じるが、意味はまるで違うということを、ロードレースの世界に住まう住人達はよく知っている。彼らが選んだ世界は、参加することに意義はなく、勝つことにしか意義がない世界なのである。

 これに対して、勝つことよりかは、参加することに意義があると考えられている、定職に就く者に用意された草レースという名のイベントは、相対的に人気を高めたようだが、勝負の世界である以上、コストとレベルの上昇から逃れることは出来なかった。私自身、それに対する証拠を目撃した証人だが、歴史を観察すると、我が国は、外国から輸入された鉄砲に対して、「飛び道具とは卑怯なり」という理由で、技術の進歩に対してノーを突きつけた類稀(たぐいまれ)な経歴の所有者である訳だが、草レースのメジャー化とは、きたりんにとっての鉄砲伝来と同義なのかもしれない。
 そして私は、今後も鉄砲を嫌う人達をこよなく愛し続けることだろう。




久々にきたりんに会い感慨深くなってしまったが、
前の週にトミンサーキットで会ったばかりのyktさんとも早速お会いした。
何かとても嬉しそうである。




また、
yktさんの奥さんには、
サーキットのアデージョ(艶女)を目指して頂こうと、
モノホンのアデージョ御用達雑誌、
『ニキータ』をプレゼントした。

これでココリコミラクルの面白さも増すことだろう。




また、
お忍びで行ったにも関わらず、
私に声をかけてくださる方も結構いらした。
↑は、
声をかけて頂いたYZF-R1氏。

ちなみに、
センターアップマフラーのYZF-R1は、
フレームが非常に熱くなるという噂を聞いていたが、
こちらの方もその通りだと仰っていた。




↑のZX-6Rを駆るケイタロさんも、
私に声をかけて頂いた。
ちなみに、
私はZX-6Rが好きなので、
バイクにまたがらせて頂き、
嬉しかった。
ケイタロさん、バイクにまたがらせて頂き、
誠にありがとうございます!

ちなみに、
アメコミが割と好きな私としては、
ケイタロさんは、
『X-MEN』のウルヴァリンにどことなくイキフン(雰囲気)が似ていると思った。




サーキットが貸し出すトランスポンダーは、
地面との間に回転する物体を介していても計測されるようで、
このようにフロントフェンダーに取り付けている方も多かった。




 ↑は、スイングアームに取り付けられたきたりんのトランスポンダー。
 ちなみに、きたりんは15分間という限られた短い走行時間を有効活用すべく、まるで要人を取り巻くSP(護衛)が、ピストルをすぐに取り出せるように常に上着の前ボタンを外しているかのように、ウォーミングアップラップを減少させることに貢献するタイヤウォーマーを利用していた。





 また、コストをかけるべきところと、かけないところの差をつけるかのごとく、きたりんはおフランス製の格安のヘルメットを使用していた。ちなみに、↑のヘルメットは、ドライバーズスタンドがインポーターとなっているらしい。また、サイズは通常のMサイズが、Lサイズくらいの大きさになっているそうなので、頭が大きい方には特にお薦めだが、色々とガタガタコマケーことをほざくメジャーなレースでの規格はクリアーしていないようなので、草レースやスポーツ走行でしか車検というか、ヘルメット検は通らないようなので、購入される際は御注意して頂きたい。

 話変わって、ロムシーステッカーが律儀である。(笑)




最終コーナーでのyktさん。




きたりん。




 最終コーナー立ち上がりでのきたりんとCBR1000RR。「路面がスリッピーなので、スライドを多用してもタイヤが減らないことが良い」と、ひょうひょうと語るきたりんは、実際、この最終コーナーにてスライドを多用して走行していた。
 ちなみに、ウェイン・レイニーなどのダートトラック出身のアメリカン・ライダーは、左の開けてくコーナーが得意だが、同じスタイルの流れを組むと思われるきたりんも、左の開けてくコーナーである、この最終コーナーは気分が良かったのではないだろうか?
 また、いかにも走り込んでいる感じの常連のライダーの皆さんは、最終コーナーのコーナーリングスピードが非常に高かったが、彼らに対して、コーナーリングスピードがそれ程高くないきたりんが、いとも簡単に常連ライダーと互角以上に渡り合えてしまうのは、とりあえずハイパワーなマシンを購入し、立ち上がり重視のスタイルで走った方が、初めてのコースでのタイムアップや、競い合いでのパッシングに有利だという、きたりんの基本的な考えの具現化と言える。

 しかし、誤解を避ける為に断っておけば、立ち上がり重視の走りをするライダーだけを持ち上げるのは不公平だというコーナーリングスピード重視のライダーを弁護する能力において、私はその為の遺伝子が不足しているようだ。 




ケイタロさん。
愛車のZX-6Rは、保安部品を外してサーキット仕様にしている。




路面がスリッピーということで、
完熟走行に時間をかけていたyktさんの奥さん。




YZF-R1氏。
yktさんの奥さんのYZF-R6と比較すると、
やはりオートバイは大きい印象だった。




お隣のカートコースから、
チビッ子達が遊びにきていた。




「なんか傾いて走ってるどー」
「でも、俺達の方がコーナーリングスピード速いどー」
「それに、俺達はドリフトして走ってるどー」
「でも、きたりんだけはオマエ達と一緒でドリフトしてるどー」

注:知能指数は変わらないが、最後のセリフはアーブ山口。

インターネット向け注:上記の会話は、
文章を面白おかしくする為にデッチ上げられたフィクション(作り話)です。




最終コーナーで観察していたら、
yktさんのグースは。
フロントフォークが小刻みに上下動していて、
フロントホイールが歪んでいる気がしたので、
パドックでチェックしてみると、
案の定フロントホイールが歪んでいた。

最近2度ほど転倒していたようなので、
その際に歪んだのかもしれない。

また、
ホームストレッチにて、
バックファイヤーみたいな音がするので、
yktさんがプラグをチェックした所、
真っ白だったので、
メインを上げたら、
その後はトルク感が出て、
大幅にタイムアップしたようだ。


  

第1コーナーの進入では、
アンソニー・ゴバード君などに代表される、
AMAのライダーのように、
リアブレーキを使ってスライドさせながら進入する“お家芸”は健在だった。




午後に入ると、
yktさんの奥さんのバンク角も増してきたようだった。




ケニー・ロバーツ・シニアを彷彿させる、
きれいなフォームのケイタロさん。




この部分を通過する際、
“あえての”フロントアップでゼブラゾーンを通過しているきたりんを目撃したので、
最後の走行では、
そのショットを撮る為だけに準備していたものの、
結局撮影には失敗してしまった。

しかし、
後できたりんにそのことを話すと、
あそこは突っ込みすぎて失敗した時だけセブラに乗るので、
普段は普通に走っているとのことだった。

という訳で、
茂原ツインサーキットは、
思いの他きれいで設備が整ったサーキットだという印象だったが、
私も自分のオートバイを購入した暁には、
是非皆さんと一緒に走りたいと思った。

えっ? 何々?
レースの開催?
私の中でロードレースは終わったのだよ。(笑)


茂原ツインサーキットのHP

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