Erv's Letters index Text by Erv Yamaguchi


祝、高速道路2人乗り解禁(1) 2004年12月28日 08:45

 聞くところによると、来年からは、一部の高速道路にて2人乗りが解禁されるそうである。
 ちなみに、これまでは高速道路では、2人乗りは禁止されていたが、これは“おかみ”が、高速道路で2人乗りすることは危険だと判断していた為だろう。(私もこの考えに賛成である)
 しかし、1度決めたことはテコでも動かさないことが特徴の“おかみ”が、ワザワザ面倒くさいレギュレーション変更を行ったのは不思議だと思う方も多いことだろう。もしかしたら、腹黒さで悪名高い、いわゆる“道路族”と呼ばれる政治家先生達と道路公団の癒着に対して、民営化の波がケチを付け始めたので、道路公団は、少しでも収入を増やそうと、“おかみ”は、「2人乗りのオートバイからも料金をせしめたい」と考え出したと思っている人もいるかもしれない。
 しかし、元々オートバイから巻き上げる料金など鼻くそみたいなものだし、2人乗りのオートバイなど、更に鼻くそにからんだ鼻毛程度のものだろう。

 従って、メディアは、高速道路の2人乗り解禁に対してパラノイックに賛成している人達の活動により、“おかみ”は動いたと報じているようだが、国内の声には全く耳を貸さないことが特徴の“おかみ”が、そんなことで自分の仕事を増やすだろうか? もうほとんどの方が御存知のように、本当のところは、国内の声には無関心を決め込むが、青い目の圧力には簡単に屈する“おかみ”の特徴を見事に表すように、青い目、すなわちハーレーの圧力が決め手だったと私は考えている。

 そう、ハーレーは、ハーレー・ダビッドソン・ジャパンを設立した辺りから、特に我が国でハーレーを売る為のマーケティングに力を入れ始めた。強行に。
 そして、ハーレー・ダビッドソンが日本にハーレーを売り込むに当たって、障害になっているポイントは2つだと考えた。
 1つは、悪名高かった大型二輪免許の取得のシステムであり、以前は、ハーレー・ダビッドソンに乗る為に必要な大型二輪免許は、試験場でしか取得できなかったが、入口と出口がまるでダムのようなつくりになっている試験場では、なかなか大型免許を取得するライダーの人数は増加しなかった。
 実際、私が若い頃などは、大型免許を取りに行く人は、まるで“まな板のコイ”を買ってでている人のように感じられたものである。
 しかし、その後、ハーレー・ダビッドソンの圧力が功を奏したのか、大型免許は教習所で簡単に取得できるようになった。つまり大型免許は、パブリックなSMクラブから、民間幼稚園のお遊戯にその姿を変貌させたのである。
 恐らくこの変化に伴い、ハーレー・ダビッドソンの社長は、この時にモエの泡に酔いしれたことだろう。そしてまた、ハーレー・ダビッドソン・ジャパンの幹部も、お決まりのピンドンを開けて、ザギンのステホス(銀座のホステス)とヨロシクやったことだろう。

 そして青い目、すなわちハーレー・ダビッドソンの社長は、次なる標的は高速道路の2人乗り解禁だと思った。
 そして、ナント、ハーレー・ダビッドソンの社長じきじきに、イエローモンキーが住む遠く離れた極東の島国にやってきて、サル山の大将に次のように語った。

 「私はワイフをうしろに乗せている時の方が安全運転だがね」

 決まった。正にエクセレントな言葉である。私ですら何の反論もできない位パーフェクトなフレーズだ。
 しかし、それでは私のサイトらしさが失われるので、ハーレー・ダビッドソンの社長のことは持ち上げつつ、重箱の隅をつついてみよう。

 たしかに、ハーレー・ダビッドソンのタンデムシートに、ハーレー乗りの奥さんを乗せて、高速道路を時速100キロで走ったならば、ほとんど安全だと思われる。しかも、いつも自宅にこもり気味の専業主婦が、たまに旦那と一緒にハーレーに乗って遠出し、そこで出会った人達とコミュニケーションすれば、遠出効果やトリップ感と共に、人生に思い出も作れ、オートバイに対する好感度も上がることだろう。二輪業界にとっては、正にバンバンザイである。

 しかし、皆さんも御存知のように、1回転に1回爆発する2サイクルや、自然吸気に対してはるかに高い充填効率を誇る加給器付きのエンジンを、同一排気量として考える“オメデタイ”“おかみ”が、126cc以上のオートバイを全て同じ法律でくくることが、私の考える危惧である。

 そう、私の説明は回りくどいが、皆さんならすぐに分かるだろう。問題はハイパースポーツ車だ。
 ハイパースポーツ車は、時速100キロで走って心地のよいハーレーと違い、時速200キロ以上の巡航など“へ”でもないシロモノ家電で、時速250キロ位で走っている方達も多く存在する。その時点ですでにかなり危険が危なく、頭痛が痛いが、更に問題なのは、ハイパースポーツ車のタンデムにおける設計であり、低重心でタンデムシートやグラブバーなどがしっかりした設計のオートバイと違い、ハイパースポーツ車のタンデムに対する設計はお寒いばかりだ。
 具体的に言うと、ハイパースポーツ車は、そのデサインから、元々重心が高いのに、タンデムシートは、レーサーのシートカウルの上にタンデムライダーを乗せるようなデザインで、更に高い位置にタンデムライダーを座らせるように設計されていて、グラブバーなどもなく、タンデムライダーは、あまり命を預けたくない栄養失調なルックスのベルトにつかまることになる。
 普通に考えても、ハイパースポーツ車のタンデムは、何か車体の動きに乱れがあった際には、アッという間にうしろのライダーが放り出されそうな感じがするだろう。

 更に言わせてもらえれば、これは私の個人的な美的センスにおける注文だが、ハイパースポーツ車のタンデムシートとタンデムステップは、まるで、感動的なドラマのクライマックスシーンで、フルメイクの美しい女優の鼻から飛び出した鼻毛のようである。私は個人的な美意識にて、メーカーにはこの鼻毛は最初から処理して頂きたいと切に思う。

 まー、こんなことを言わなくても、実際問題、ハイパースポーツ車に乗る喜びとは何だろうかとライダー自身が自問すれば、それはスポーツライディングであり、タンデムした瞬間、ハイパースポーツ車の魅力などどこかにフトンが吹っ飛んでしまうだろう。私自身、ハイパースポーツ車でタンデムしているライダーを見た記憶はない。

 従って、ここからが私からメーカーに対する注文だが、メーカーは高速道路の2人乗り解禁に合わせて、ハイパースポーツ車を自主規制的にシングルシーターとして売るべきである。ユーザー側も、よりレプリカに近く、鼻毛の分値引きされていた方が、はるかに喜ぶことだろう。




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