Erv's Letters index Text by Erv Yamaguchi


貧困層のヒーロー 2008年4月29日 10:03

 先週の金曜日の深夜に放送された『朝まで生テレビ “新しい貧困”とニッポン』は、いつものパターンで、電波芸者の田原総一郎をはさんで、左側はネオリベラリズム(新自由主義)推進派の面々、右側は社会民主主義的な左派の面々に分かれて討論が始まったが、田原は小泉・竹中の構造改革賛成派なので、いつもネオリベラリズム(新自由主義)陣営の肩を持ち、社会民主主義的な陣営はオメデタイ人という位置づけになり、内容もミクロなものに集中して結論が出ないまま終わり、ネオリベラリズム(新自由主義)陣営の方がインテリジェンスが高いかのようなイメージを視聴者に与えて終わるのがいつものパターンなので、今回も私はあまり過大な期待はせずに観ていたのだが、今回はイレギュラーに面白いシーンがあった。それが↓の映像だ。

(7分34秒の映像です)

 ニコニコ動画を観たことがない方は、最初の登録が少しメンドーだが、良かったら登録してまずは↑の動画を観て頂きたい。また、コメントがウザいと感じた方は、『システム』というタグの中のコメント非表示にチェックを入れれば、元の映像だけになって見やすくなる。

 話を朝生の↑の映像に戻すと、私は若い頃から団塊の世代を忌み嫌っていたが、おめでたいバカげた団塊の世代の象徴のようなオヤジが、おめでたさ爆発調で、「今の若い人はガッツが足りない」などと言った、相変わらずの懐かしい根性論を語った時、生活保護を受けているうつ病の人が反撃した瞬間が、超カッコ良かった。(4分20秒くらいからそのシーンが始まる)

 ↑の映像は、うつ病の人が映っている部分を集めた動画で、大嫌いな団塊の世代へのツッコミが爽快だったので、いつものカッタるい朝生より面白かったという話だが、他のメインのパネリストの討論においても、いつもはミクロの話に終始し、根本的な要因である、ネオリベラリズム(新自由主義)についてや、ネオリベラリズム(新自由主義)という言葉自体が発言されずに終わってしまうことも多かったのに、今回の放送では、最後の方になって、司会の田原自身が、新自由主義vs社会民主主義的な構造をハッキリと口にするようになって、こうした言葉が出てきたことは良かったと思った。

 また、民主党の山井和則(ヤマノイカズノリ)に対して、田原が、「民主党は社民主義なのかどうなんだ!?」と詰め寄ると、ハッキリ答えないので、田原が、「そんな態度だから政権を取れないんだ」と一喝すると、隣の社会民主主義者と言える森永卓郎が、民主党の中にも市場原理主義者の人がいるから、民主党が社会民主主義とは言えない面があるとフォローしていたものの、たしかに、ハッキリと民主党が社会民主主義の政党だと言わないことに、国民の理解が得られにくい面があることは事実だ。

 話を戻して、これを読む読者の中にも、今年に入ってからの『アーブの手紙』を読むまでは、ネオリベラリズム(新自由主義)や社会民主主義の対立軸といった政治の見方はしていなかったという方も多いと思う。しかし、このことこそが政治が分かりにくかった理由であり、あなたが市場原理主義か、あるいは社会民主主義のどちらを好むかで、選挙への関心はがぜん高まってくると思う。

 ちなみに、別のテレビのバラエティー番組で、『太田光の私が総理大臣になったら』では、これまた、庶民寄りな政策や弱者救済措置の社民的とも言えるマニフェストが出て、それに対して投票結果を出すことが多いのだが、視聴者の投票結果は、総じて社民寄りな傾向が強く、以前にも語ったが、こうした庶民寄りな政策や弱者救済措置が、そのまま左翼というバイアスは一般大衆には少ないと感じられる。

 また、『Yahoo!みんなの政治』にて、国会議員の評価をしている人で、支持者が多い人は、大抵は社会民主主義的な活動をした政治家を高く評価し、新米保守派や、ネオリベラリズム(新自由主義)傾向が高い政治家を低く評価し、逆に言うと、親米保守派やネオリベラリズム(新自由主義)傾向が高い政治家に高い評価を入れる人の支持率はかなり低いものになっている。

 こうした番組や『Yahoo!みんなの政治』などを見ていると、決して日本の民度は低くないと思えるのに、なぜか実際の選挙では、ネオリベラリズム(新自由主義)傾向が高い政治家が当選してしまうのが、歯がゆい気分だ。

 しかし、次の衆議院選挙では、例えパーペキな党とは言えなくても、とにかく現在の自民党と公明党の与党政権を倒さないと、日本はこのままどんどんとネオリベラリズム(新自由主義)により荒廃していくことだろう。マスコミはそれでも懲りずに、小泉待望論とか、小池百合子の総理大臣待望論といった信じがたいバカげた偏向報道で大衆をミスリードしているが、衆院山口2区補選では、ノーパンしゃぶしゃぶの顧客で、耐震強度偽装事件でイーホームズの藤田東吾社長に真の責任者として告発されたバカげた山本繁太郎なんかを出した自公が惨敗してザマー見たので、私はこのまま衆議院選挙でも民主党を支持して政権交代に期待したいと思う。もちろん、政権交代したからと言ってそれでパーペキという訳ではなく、引き続き前原誠司などを批判していくことになると思うのだが、もちろん重要なのは、完璧か完璧でないかという善悪二元論ではなく、“完璧を目指す姿勢”であり、選挙権を放棄していると、本当に知らない間に世の中がメチャメチャになっていくのだと、これを読む皆さんにも強く訴えたいと思う。

 また、“中選挙区”制度と違い、衆議院“小選挙区”による選挙では、あなたが持つ健全なイメージと違い、“正しい人”を選ぶのではなく、トップ2人の内の、“より悪くない方”を選ばなければならないと助言しておきたいと思う。

「戦略か理念か」論参照のこと)

★朝生による新自由主義vs社会民主主義の討論

(10分の映像です)

 ↑では、全てのパネリストが北欧に関して無知で、大国のアメリカやロシアや中国が凄いから市場原理主義しかないといった論調で田原が攻め、民主党の山井和則(ヤマノイカズノリ)は態度がハッキリせず、森永卓郎も北欧を例に出さないことに対して歯がゆい思いをしたので、今度機会を見て北欧について語りたいと思う。もちろん北欧がパーペキという訳ではないのだが、社会民主主義に対する汚名は十分返上出来る国が北欧にはある。

 それにしても、あかるさまな大企業擁護とネオリベラリズム(新自由主義)擁護が最高に気分が悪い世耕弘成(セコウヒロシゲ)は最悪な政治家の1人だが、これを見る読者の中で和歌山県に住む方は、次回は是非落して頂きたい政治家の1人だ。また、世耕に関する書きたいネタもあるのだが、長くなるのでその内書きたいと思う。


◆今回出演していた政治家(Yahoo!みんなの政治より)

民主党 山井 和則(ヤマノイ カズノリ)

自民党 世耕 弘成(セコウ ヒロシゲ)


★追伸(2008年5月2日 15:29)
 生活保護を受けているうつ病の人が反撃する少し前から5分間の映像が、割と高画質でアップされていたので、↓に紹介する。

http://www.veoh.com/videos/v7056493FtcGyJBz




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