Erv's Letters index Text by Erv Yamaguchi


ヒルズ離婚 2005年7月24日 20:34

 少し前の日記にて、「蜜月が終わり、愛情が冷めてしまったカップルは、六本木ヒルズの最上階に住んでいても不幸だろう」と書いたことがあったが、最上階かどうかは別として、六本木ヒルズに住むIT社長と女優が離婚したようだ。
 もちろん私は占い師がうっかり口を滑らせたのを聞いていた訳ではないのだが、あまりにもタイムリーな出来事なので、我ながら感心した。
 さて、この出来事で分ることは何だろうか? そう、それは、男女の関係においては、お金だけでは足りないということだろう。男女の関係に必要なのは、お金ではなく、お金と、それを得る為に特別働かなくても良い環境である。つまり、人はなるべくなら不労所得が多いほうが良いようだ。お金があってもいそがしい人は嫌われるのだ。

 ところで、私は幼少期に、お金持ちが多く住む地域で生まれ育ったので、子供ながらに、お金持ちには2種類の人がいると分析していた。その一方は、元々お金持ちの方達で、資産家の方や、持っていた株や土地が値上がりして、知らない内にお金持ちになった人達である。こうした人達は、心がおだやかで、割かし質素な生活を送っているものの、どこかセンスの良さを感じさせるところが特徴である。
 もう一方のタイプは、いわゆる“成り上がり”と呼ばれる人達で、自分のアイデアや才能などで、主に芸能やビジネスで成功した人達である。これらの人達は、自分の成功を訴える為に、着ている洋服やアクセサリー、そしてクルマなどがケバケバしくハデで、センスも悪いのが特徴だが、自慢の為の消費には金を注ぎこむが、自分の稼いだ金は、ビタ一文他人には渡したくないというケチくささがにじみ出ているのが特徴である。
 あなたがもし貧乏で、金持ちに対してねたんでいるのならば、恐らくその対象は後者だろう。

 私が幼少期に子供ながらにお金持ちを観察して思ったのは、お金持ちにはお金持ちのセンスが必要だということである。
 例えば、あなたが全く働かなくても、莫大な不労所得を得ることができるお金持ちだったとしよう。あなたは100人の画家を集めて、自画像を描かせたりすることもできる。そして、これでも立派にGDP(国民総生産)は向上する。
 また、これは本当にあった話のようだが、あるお金持ちが、自宅に動物園を作って、そこで雇われた人は、一生、生まれてから死ぬまでの間、オリに氷を運んでいただけで終わった人がいるという。こうした労働は、果たして人類の役に立ったのだろうか?
 つまり、もしあなたが無駄に労働力を“金で”利用した場合、その分だけ、学校の先生や医師や看護婦やエイズ研究をする学者になる可能性を秘めた人達の労働力を、無駄に消費することにつながるのだ。
 つまり、お金持ちになる人は、お金の使い方のセンスが問われるべきだと思う。
 お金持ちを否定すれば、それは資本主義の原則に反し、共産主義は人々のやる気を減少させることは歴史が証明している。
 非常に難しい問題である。
 しかし、世の中ではお金持ちになる方法については、しつこいほど話題に上るが、お金持ちになった後に幸せになる方法には全く触れることはない。
 おかげでお金持ちな人達が不幸になることも多い訳だが、本質を見失うことの愚かさはよく分かるので、皆さんも私と共に、女優とは結婚しないよう気をつけるとしよう。




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